【簿記3級】⑭貸倒引当金 その1

こんばんは、アローです^^

 

今回は貸倒引当金について。

私が初めて簿記3級の勉強を始めた時に一番苦戦した分野で、ちょっとややこしいので数回に分けて記事にしていく。

 

貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)

まず初めに貸倒れとは、受取手形や売掛金などの債権が、相手先の倒産などによって回収不能になること

この債権もしかしたら貸倒れするかも、と貸倒れを見越して計上する資産のマイナス勘定を貸倒引当金という

 

貸倒引当金の設定(決算で行う)

売掛金や受取手形などの債権のうち、翌期以降に貸倒れが生じると見込まれる金額は、資産としての価値がないものとみなす。

決算整理時にその金額を見積もって、貸倒引当金勘定(資産のマイナス)として計上する。相手勘定は貸倒引当金繰入勘定(費用)。

ここでポイントなのは、負債ではなく資産のマイナスということ。

なお、資産のマイナスを意味する勘定を評価勘定という。

現時点では何を言っているかよくわからないと思うので、例題などを解きながら理解していく。

 

 

 

 

【例題1】次の取引を仕訳せよ

3月31日 本日決算日。売掛金残高1,000,000円に対し、2%の貸倒れを見積もる。なお、貸倒引当金の残高はゼロである。

 

【解答】

1,000,000円 ×  2% = 20,000円 の貸倒引当金を計上する。

売掛金は1,000,000円あるけど、そのうち20,000円は回収不能と見込まれる(あくまで見積もり)。そのため、売掛金の実質的な価値は980,000円と言える状況。

回収できない売掛金には資産としての価値がない!ってことで貸倒引当金を設定する。

この時点ではあくまで見積もりで、実際に貸倒れていないので売掛金から直接は減らさない。

 

 

 

【例題2】次の取引を仕訳せよ

3月31日 本日決算日。期末の売上債権残高に対し、2%の貸倒れを見積もる。決算日における受取手形残高:1,000,000円、売掛金残高:500,000円。なお、貸倒引当金の残高はゼロである。

 

【解答】

売上債権合計 = 1,000,000円 + 500,000円 = 1,500,000円

貸倒引当金計上 = 1,500,000円 × 2% = 30,000円

 

 

 

ここまでは決算整理時にあくまで見積もり金額を設定した場合の処理方法。

ここから実際に貸し倒れた場合の処理を見ていく。

貸倒れ時の処理

 

貸倒引当金がない場合

⇨貸倒れ額を貸倒損失勘定(費用)によって処理。

 

貸倒引当金がある場合

⇨貸倒引当金勘定の残高があればそれを取り崩す。貸倒引当金勘定の残高が不足している場合は、その不足額を貸倒損失勘定(費用)によって処理。

 

 

【例題3】次の取引を仕訳せよ

6月5日 A社に対する前期からの売掛金100,000円が貸倒れとなった。なお、貸倒引当金残高はゼロである。

10月5日 前期にZ社から受け取ったA社振出、当社受取の約束手形80,000円が、Z社の倒産に伴い貸倒れとなった。なお、貸倒引当金残高はゼロである。

 

【解答】

倒産などで実際に貸し倒れて貸倒引当金残高がゼロの場合は、債権の価値(資産)がそのまま減るような処理となる。

 

 

 

【例題4】次の取引を仕訳せよ

6月1日 A社に対する前期からの売掛金100,000円が貸倒れとなった。なお、貸倒引当金残高は150,000円である。

10月1日 B社から受け取っていたB社振出、当社受取の受取手形80,000円が、B社の倒産により貸倒れとなった。なお、貸倒引当金残高は50,000円である。

 

【解答】

6月1日:貸方はとりあえず売掛金という資産がダメになった。それに追従して、貸倒れを見積もっていた貸倒引当金を同額無くす。

10月1日:貸方は受取手形という資産がダメになった。それに追従して、80,000円の貸倒引当金を無くしたいが、残高が50,000円しかないので全額無くす。貸借一致させるために、30,000円は貸倒損失という費用を計上する。

決算時には、見積もり段階として半分諦めていた資産のマイナス(貸倒引当金)を本当にマイナスするイメージ。貸倒引当金は間接的なマイナスなので、その間接的なマイナスを消して直接的なマイナスを計上する感じ。

 

 

少しややこしいが、何回も問題を解いてやり方は身につけていくしかない。

 

 

次回も貸倒引当金で、試験で出題される差額補充法についてやっていく。

 

 

それではみなさん、ご安全に!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA