【簿記3級】⑧分記法と三分法

こんばんは、アローです^^

 

今回から商品売買についてやっていく。

商品売買は会社の本業であって、実務においても最も大切なところ!

補助簿とかもたくさんあるが、試験にも必ず出てくるところなのでガチガチに押さえておきたいところ。

 

だんだん複雑な取引が出てくるので、仕訳の絶対的ルールを改めて記載しておく↓

仕訳の最も重要なルールは、

「借方に記入した金額の合計」と「貸方に記入した金額の合計」は必ず一致する!

もし一致しないことがあればどこか間違えている証拠。

 

 

分記法と三分法

急に知らない言葉が出てきたが、これは分記法と三分法というのは商品売買取引の会計処理方法のこと。

会計処理方法の話に入る前に、商品売買においての基本用語を少しまとめておく。

これらの言葉がわかってないと商売はやっていけない。

 

商品売買における基本用語

・売価   : 商品の販売金額

・原価   : 商品の仕入れに要した金額

・価格   : 1個あたりの金額。単価。(価額(かがく)は価格×数量でトータルを表す)

・売上原価 : 販売した商品の原価

・売上総利益: 「粗利」のこと。売上総利益=売上高ー売上原価

 

 

では、会計処理方法による2つの方法を見ていく。なお、どっちを採用しても最終的な純資産額や当期純利益は変わらない。

 

分記法

商品勘定(資産)と商品売買益勘定(収益)を使って処理する方法

分記法の処理

・仕入時  :商品勘定の借方記入して処理する

・仕入返品時:仕入時の処理を取り消す(仕入時の逆の仕訳)。

・売上時  :商品勘定の貸方記入して、販売金額との差を商品売買益勘定として計上

・売上返品時:売上時の逆の仕訳

・決算整理時:仕訳不要

 

例題を見た方が早いので例題!

【例題1】次の取引を分記法で仕訳せよ。

①商品50,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

②①の商品を 60,000円で販売し、代金は掛けとした。

 

【解答】

ここで初めて「掛け」という言葉が出てきたが、掛けというのは簡単にいうと代金は後でいいよって意味。

①では商品という資産の増加。買掛金と言う負債を計上する。

②では商品という資産の減少(売ったら無くなるイメージ)と、儲かった分を利益(収益)として計上する。

 

 

三分法

仕入勘定(費用)、売上勘定(収益)、繰越商品勘定(資産)の3つの勘定を使って処理する方法。

三分法がオーソドックスなやり方。試験でも特に指示がなければ三分法で処理することになるので、このやり方をマスターすべし!

三分法の処理

・仕入時  :仕入勘定の借方記入して処理する

・仕入返品時:仕入時の処理を取り消す(仕入時の逆の仕訳)。

・売上時  :売上勘定の貸方記入して処理する

・売上返品時:売上時の逆の仕訳

・決算整理時:仕入勘定の残高のうち、販売していない分を繰越商品勘定に振り替える。

ここでいう仕入時および仕入返品時は、商品を購入した立場の処理。売上時および売上返品時は、商品を販売した側の処理を意味している。

分記法との大きな違いは売上時の処理方法。なぜ三分法がオーソドックスかと言うと、売上時の処理が圧倒的にシンプルだから!

 

【例題2】次の取引を三分法で仕訳せよ。

①商品50,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

②商品 60,000円を販売し、代金は掛けとした。

 

【解答】

①費用としての仕入、買掛金という負債。

②資産として売掛金が増加、収益としての売上を計上。

例題1と比べると、売上時の処理が1行となってシンプルなのがわかるはず。

 

 

2つの方法の違い

繰り返しになるが、三分法は売上時の処理が圧倒的にシンプル

ではなぜ分記法という方法があるのかというと、分記法では期中でも商品売買による利益がいくらになっているのかすぐにわかるから(商品売買益勘定というその名の通りの勘定で処理しているので)。

三分法では、決算整理時の仕訳を実施することで当期の利益を求めることになり、期中の利益は追うことができない。

 

今後の記事では、三分法をメインで学んでいく。分記法はたま〜に復習するくらいでOK。

 

簿記の問題では使用する勘定科目が指定されているので、「仕入」「売上」勘定が指定されたら三分法。

 

分記法も三分法も一応決算整理時の処理も書いておいたが、決算整理時の仕訳は少しややこしいので本記事では取り上げず、後半の決算整理の分野で記事にまとめる。

テキストによっては分記法と三分法を学んだこの時点で決算整理時の仕訳の違いを例題で記載しているものもあるが、私はこの時点でその例題をやって頭がパニックになった人間なのでここでは取り上げないw

本記事の時点ではシンプルに、商品を仕入れて販売する、という一連の流れの仕訳ができるようになれば十分。

 

 

返品時の処理

最後に少しだけ返品時の処理を見ておく。

返品は、購入した側の処理(仕入返品)でも、販売した側の処理(売上返品)でも、仕入or売上時の逆の仕訳をする。

過去の仕訳を取り消すようなイメージ。

 

【例題3】次の取引をA社B社の両方の立場で仕訳せよ。(もちろん三分法で)

①A社はB社に商品100,000円を販売し、代金のうち20,000円は現金で受け取り、残額は掛けとした。

②①で販売した商品のうち、5,000円分が返品された。

 

 

【解答】

問題文で特に指示がなければ返品時の代金は掛けとしたものから差し引く。

①では借方と貸方の合計が一致するよう意識。

②は、返品された金額分について、①で処理した逆の仕訳をするようなイメージ。

 

 

 

最後にまとめ。

三分法の処理

・仕入時  :仕入勘定の借方記入して処理する

・仕入返品時:仕入時の処理を取り消す(仕入時の逆の仕訳)。

・売上時  :売上勘定の貸方記入して処理する

・売上返品時:売上時の逆の仕訳

・決算整理時:仕入勘定の残高のうち、販売していない分を繰越商品勘定に振り替える。

 

本記事の例題は商品売買の基本中の基本の問題となるので確実にできるようにしておくべし。

 

 

それではみなさん、ご安全に!

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