【簿記3級】⑲有形固定資産 その2

こんばんは、アローです^^

 

今回も固定資産について。固定資産はほんまに毎回試験に出るので丁寧に。まずは復習と例題。

減価償却の処理(間接法)

下記の仕訳を決算整理で行う。

減価償却額の計算(定額法)

1年間の減価償却額 = (取得原価 ー 残存価額)/ 耐用年数

※期中取得の場合は使用期間に応じた金額

 

取得原価:取得した時に計上した原価

残存価額:耐用年数が終了した時点で残っているであろう価値

耐用年数:あと何年使えるかという見込み

 

 

【例題1】次の取引を仕訳せよ。

2021年8月1日 建物(取得原価:2,400,000円、耐用年数20年、残存価格ゼロ)を現金で購入した。

2022年3月31日 本日決算日。建物について定額法で減価償却を行う。なお、減価償却額は月割で計算せよ。

2023年3月31日 本日決算日。建物について減価償却を行う。

 

【解答】

1年間の減価償却額 = (取得原価 ー 残存価額)/ 耐用年数 = 2,400,000円 / 20年 = 120,000円

1年間の使用で120,000円分だけ資産の価値が減る。

今回の建物は期中に取得しているので、初年度の使用期間は8月から3月までの計8ヶ月となる。

つまり2022年3月31日に処理する減価償却費は、120,000円 ×  8ヶ月 / 12ヶ月 = 80,000円 となる。

これをもとに仕訳を実施。

2023年3月31日の減価償却費は、1年間まるっと使用しているので1年分の減価償却費を計上。

 

 

有形固定資産の売却

例えば建物(有形固定資産)が減価償却されていると、「建物」勘定では金額が減っていないが、「建物減価償却累計額」勘定の分、価値が目減りしていることになる。

この残っている実質の価額のことを建物の”帳簿価額”という。

帳簿価額 = 取得原価 ー 減価償却累計額

 

有形固定資産を売却した時は、”売却価額”と”売却時の帳簿価額(実質の価値)”との差額を固定資産売却益勘定or固定資産売却損勘定で処理する。

減価償却累計額は毎年の蓄積していくので、その蓄積してきた分を考えて売却するイメージ。

もし期中に売却した場合は、当期首から売却時までの期間の減価償却を実施する。

 

例題を解かないとイメージがわかないので、とりあえず解いていく。

 

【例題1】次の取引を仕訳せよ

取得原価が300,000円、期首時点の備品減価償却累計額が180,000円の備品について、期首に①100,000円 ②120,000円 ③150,000円で売却し、代金は現金で受け取った。なお、減価償却は定額法で処理している。

 

【解答】

備品の期首時点での帳簿価額(実質的な価値)=300,000 ー 180,000 = 120,000円

取得原価300,000円の備品がマイナスされるのでまずは貸方に備品300,000円、これまで蓄積していた累計額をマイナスするので借方に備品減価償却累計額180,000。あとは売却時に受け取った現金を借方に記載して、貸借合計を一致させればOK。

 

 

【例題2】次の取引を仕訳せよ

2021年12月31日、建物を3,000,000円で売却し、代金は後日受け取ることにした。この建物は2019年1月1日に4,200,000円で取得し、耐用年数20年、残存価額ゼロ、定額法、月割計算で減価償却の処理をしていた。当社の会計期間は3月31日を決算日とする1年間。

 

【解答】

期中の売却があって少しややこしい問題なので、一つ一つ丁寧にやっていく。

・対象建物の毎年の減価償却費 = 4,200,000円 / 20年 = 210,000円

・毎月の減価償却費 = 210,000円 / 12ヶ月 = 17,500円

・2021年度期首時点(2019年1~3月、2019年度、2020年度が経過後)の減価償却累計額

= 17,500円 ×(3ヶ月+12ヶ月+12ヶ月)= 472,500円

・当期(9ヶ月経過後)の減価償却費 = 17,500円 × 9ヶ月 = 157,500円

これらで貸借合計を合わせにいく。

(貸方)取得原価4,200,000円の建物のマイナス

(借方)当期首時点の減価償却累計額472,500円の取り消し、当期中の減価償却費157,500円、未収入金3,000,000円、残りで固定資産売却益。

問題文は複雑だが、一つ一つ見ていけばちゃんと解けるなるはず。

まず期首時点の累計額を求めて、その後に期中の減価償却費を求めて、あとは貸借一致させにいく!

パズルみたいで面白い!例題を繰り返して慣れるべし!

 

 

有形固定資産の資本的支出と収益的支出

保有している固定資産について、改良や修繕に関わる支出額は、

資産価値を高める支出 ⇨ 資本的支出

資産価値を高めない支出 ⇨ 収益的支出

という2つに分類される。

 

資本的支出:増築などで有形固定資産の価値を高めるための支出。対象の固定資産の残高を増加させる。

収益的支出:損傷を回復するためなど、有形固定資産の現状を維持するための支出。修繕費勘定(費用)として計上する。

資本とか収益とかっていう言い方は昔の言い方みたいで、意味はそんなに気にする必要はない。

収益的支出は、これまで収益の獲得に貢献してきた結果として損傷したものを治すイメージで修繕費。

 

【例題3】次の取引を仕訳せよ

取得後20年経過した建物の増築と修繕を行い、代金20,000,000円の小切手を振り出して支払った。このうち12,000,000円は増築のための支出、残りは建物の現状を維持するための支出である。

 

【解答】

増築は資本的支出として建物勘定(資産)を増加、修繕は修繕費勘定(費用)を計上。

 

 

固定資産はこれで終了!

試験に絶対出てくるので例題1、2は確実にできるようになっておくべし!

 

 

それではみなさん、ご安全に!

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