【簿記3級】⑯債権・債務・費用 その1

こんばんは、アローです^^

 

今回はこれまでに出てこなかった、その他の債権・債務・費用を見ていく。

覚えれば単純なものが多いが、普通に試験に出てくるのでちゃんと覚えておくべし。

今回はこれまでの知識では見慣れない取引が出てくると思うので、改めて仕訳の原則を復習↓

仕訳の最も重要なルールは、

「借方に記入した金額の合計」と「貸方に記入した金額の合計」は必ず一致する!

もし一致しないことがあればどこか間違えている証拠。

 

 

 

 

ちょっと多いけど例題とともに一気に見ていく。

前払金と前受金

商品の受け渡しの前に、手付金(てつけきん)みたいな予約金を受け払いする場合があり、その際に登場する勘定科目が「前払金(まえばらいきん)」と「前受金(まえうけきん)」。

代金の一部を先に支払うパターンが多く、一部支払っておいたからあとでちゃんと商品ちょうだいね、っていうイメージ。

前払金と前受金

支払った側の処理 :前払金勘定(資産) ←商品を請求できる権利

受け取った側の処理:前受金勘定(負債) ←商品を引き渡す義務

本業の商品売買に関わるお金っていうのがポイント。

 

【例題1】次の取引をA社とB社それぞれの立場で仕訳せよ。

6月1日 A社は、B社より商品200,000円を仕入れる契約をし、代金の一部20,000円を手付金として現金で渡した。

6月20日 A社は、B社から商品を仕入れ、代金のうち20,000円は先に支払った手付金で充当し、残りは掛けとした。

 

【解答】

A社の仕訳をざっくり見てみる。6月1日は、とりあえず現金支払っているので貸方に現金20,000円、相手勘定は商品売買に先立った手付金なので前払金勘定(資産)を計上。6月20日は、1日に計上した前払金の取り消しなので貸方に前払金20,000円、残額は掛けなので貸方に買掛金180,000円、合計で200,000円分の商品を仕入れているので借方に仕入を計上。

貸借一致の法則を意識していればうまくできるはず^^

 

 

貸付金と借入金

金銭の貸し借りを行なった場合に登場する勘定科目が「貸付金(かしつけきん)」と「借入金(かりいれきん)」。

もちろん、お金の貸し借りをするってことは、時の経過によって利息が発生する。

貸付金と借入金

貸した側の処理 :貸付金勘定(資産) ←後日、返済を請求できる権利

借りた側の処理 :借入金勘定(負債) ←後日、返済しなければならない義務

 

発生した利息については、受取利息勘定(収益)、支払利息勘定(費用)で処理

なお、役員に対する分は、役員貸付金勘定、役員借入金勘定を計上することがある。

 

【例題2】次の取引をA社とB社それぞれの立場で仕訳せよ。

4月1日 A社はB社に現金2,000,000円を貸し付けた。利息は年3%、貸付期間は1年間で、利息は元金返済時に受け取る予定。

3月31日 B社は、A社からの借入金について、利息と共に小切手を振り出して支払った。

 

【解答】

2,000,000円の3%=60,000円という計算ができれば、この問題も貸借一致の法則を意識して難なくいけるかと。注意点として、小切手は受け取ったら現金、振り出したら当座預金ということくらい。

 

受取利息は収益なので貸方、支払利息は費用なので借方。

一応復習しておく!【簿記3級】②帳簿記入のルール

 

 

ではもう一問!

【例題3】次の取引をA社とB社それぞれの立場で仕訳せよ。

4月1日 A社はB社に現金1,000,000円を貸し付け、利息30,000円を差し引いて現金で渡した。

3月31日 B社は、A社からの借入金について、小切手を振り出して返済した。

 

【解答】

4月1日の貸し付けたタイミングで利息の受け払いがされたパターンの問題。

 

 

 

手形貸付金と手形借入金

金銭の貸し借りで約束手形を振り出した場合、手形貸付金勘定(資産)、手形借入金勘定(負債)で処理する。

本業(商品売買)で振り出された手形なら受取手形、支払手形だが、お金の貸し借りで発生した場合は手形貸付金、手形借入金となる。

 

【例題4】次の取引をA社とB社それぞれの立場で仕訳せよ。

4月1日 A社はB社に現金を貸し付け、利息30,000円を差し引いて現金970,000円を渡した。この際、B社はB社振り出し、A社受取の約束手形(額面1,000,000円)を振り出して渡した。

3月31日 B社は、A社に対して小切手1,000,000円を渡し、約束手形を回収した。

 

【解答】

例題3と勘定科目が変わるだけ。4/1のA社の手形貸付金は、後日回収できる権利=資産。B社の手形借入金は後日返済する負債。

 

 

 

未収入金と未払金

商品売買、金銭の貸し借り、以外の取引による金銭債権・債務については、未収入金勘定(債権=資産)、未払金勘定(債務=負債)で処理する。

結構雑多な取引もこの勘定科目で処理するので、試験に結構出てくる。

 

【例題5】次の取引を仕訳せよ。

6月1日 備品200,000円を購入し、代金は後日払いとした。

6月20日 6月1日に購入した備品の代金を現金で払った。

7月1日 帳簿価額1,000,000円の土地を1,000,000円で売却し、代金は後日受け取ることにした。

7月20日 7月1日の土地の代金を現金で受け取った。

 

【解答】

商品売買や金銭の貸借ではないので、未収金(後日お金を受け取れる権利:債権=資産)と未払金(後日お金を支払わないといけない義務:債務=負債)で処理する。

 

 

仮払金と仮受金

現金などを受け払いしたけども、その相手勘定科目やその金額が確定していない場合は、一時的に仮払金勘定、仮受金勘定で処理する。

一時的なもので、あくまで「仮」。仮払金は一応資産、仮受金は一応負債。

 

【例題6】次の取引を仕訳せよ。

6月1日 社員が出張のため、事前に旅費の概算金額80,000円を現金で渡した。

6月5日 出張中の社員が当社の当座預金口座に100,000円の振込をしたが、その内容は不明。

6月6日 5日の当座預金への振込は、得意先A社に対する売掛金100,000円の回収であることが判明した(出張中の社員から連絡あり)。

6月10日 社員が出張から帰り、旅費は75,000円だったので差額の5,000円を現金で回収した。

 

【解答】

6/1の「概算」ってのは確定していない段階なので仮払金として処理。6/5も突然の振込で困惑するが内容不明なので仮受金として処理。これらは一時的なものであくまで仮。試験でもこれらの勘定科目が出てきたら、割と早い段階で確定したものに切り替えられることが多い。

なお、6/1時点では旅費交通費は確定せず、6/10時点で旅費交通費が確定することになる。

 

 

 

ザーッと例題とともにまとめたが、長くなったのでここで一旦終了。

次回に継続。

 

 

それではみなさん、ご安全に!

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