こんばんは、アローです^^
前回の続きで例題とともに一気に見ていく。
受取商品券
商品販売時に、自治体などが発行した商品券を受け取ることがあるが、この場合、一定期間経過後に自治体に商品を持ち込んで代金を決済することになる。
つまり、後日現金を受け取れる権利(資産)として、商品券を受け取った際は受取商品券勘定(資産)で処理する。
【例題1】次の取引を仕訳せよ
6月1日 商品80,000円を売り上げ、代金として自治体発行の商品券を受け取った。
6月20日 1日に受け取った商品券を換金し、直ちに当座預金口座に入金した。
6月30日 備品300,000円を購入し、代金のうち100,000円は以前受け取っていた商品券を引き渡し、残額は来月末に銀行振込で支払うことにした。
【解答】
受取商品券は資産なので増えたら借方。
6月30日の備品代金の後日払いは、前回の復習。商品売買でもお金の貸し借りでもないので未払金(負債)を計上する。
預り金と法定福利費
これが結構難しいが、試験で出てくるパターンは決まってるので何回も例題を解いて慣れておくべし。
他人からお金を預かった場合、預り金勘定(負債:後々支払いするべきお金)で処理する。
従業員負担の社会保険料や所得税を給与から天引きした場合は、一旦会社がその金額を従業員から預かって後々税務署に支払うイメージになり、社会保険料預り金勘定(負債)、所得税預り金勘定(負債)によって処理する。
一方で、従業員の社会保険料のうち、会社負担分を支払った場合は、法定福利費勘定(費用)で処理する。
社会保険料の処理
従業員負担分 : 預り金(一時的に会社が預かるイメージ)
会社負担分 : 法定福利費
また、他人の費用などを一時的に立て替えた場合は、立替金勘定(資産:一旦立て替えておいて後々お金をいただくイメージ)として処理する。従業員に対する立替分は、従業員立替金勘定で処理することもある。
【例題2】次の取引を仕訳せよ
①従業員の生命保険料70,000円を現金で建て替えて支払った。
②従業員への給料総額300,000円について、以前従業員に対して立て替えていた70,000円、および所得税の源泉徴収分50,000円を差し引いて、残額を現金で支払った。
【解答】
①は単純に解けるはず。
②は少しややこしいが、一つ一つ見ていくと、
まずは給料総額300,000円を現金で支払った。
以前従業員のために立て替えていた分を、現金で受け取った(従業員の給料から差し引いているが、受け取ったのと変わらない)
所得税の源泉徴収分として現金を預かった(後々、税務署に納めないといけないので負債)
これらを合体させると上記の解答のような仕訳になる。
この給料の支払いは試験にめっちゃ出るのでもう一問やっておく。
ちょっと複雑だが、このレベルが解けると試験では問題ないはず。
【例題3】次の取引を仕訳せよ
①従業員に対する給料300,000円について、立て替えていた従業員個人の生命保険料10,000円、所得税の源泉徴収分20,000円、社会保険料30,000円、社員旅行費用の従業員負担分5,000円を差し引いて、当社の普通預金口座から支払って支給した。
②従業員の源泉所得税20,000円を税務署に納付した。
③従業員負担分12,000円と、当社負担分12,000円の社会保険料合計24,000円を現金で支払った。
【解答】
我々の給料について、額面に対してかなり税金が取られている感覚があると思うが、差し引かれた税金などについては、会社が持って行っているわけではなく、会社が代わりに国に支払ってくれていることがわかるかと。
なお、社会保険料ってのは、健康保険、厚生年金、雇用保険などがある。詳しくはFP(ファイナンシャルプランナー)のテキストなどを見ると良い(後日記事にするかも?)。
差入保証金
不動産の賃借で支払う敷金や保証金は、差入保証金勘定(資産:後々部屋をあけ渡す時に返ってくる)で処理する。
例題を見ていくが、この例題は不動産を借りるときの典型例なので、しっかりできるようになっておくべし。
【例題4】次の取引を仕訳せよ
店舗の賃借にあたり、1ヶ月分の家賃120,000円、敷金120,000円、不動産会社への手数料120,000円を普通預金口座から支払った。
【解答】
次でラスト!
諸会費
会社が参加している業界団体などに対して年会費を支払った場合は、諸会費勘定(費用)で処理する。
【例題5】次の取引を仕訳せよ
会社が参加している業界団体に、年会費80,000円を現金で支払った。
【解答】
今回、前回で一気に勘定科目を勉強したが、どれが試験に出てもおかしくないので、例題レベルはちゃんと解けるよう基礎を固めておくべし。
法定福利費以外はそこまでひねった問題は出てこないと思われる(法定福利費も基礎がしっかり分かっていればひねった問題でもちゃんと解ける)。
それではみなさん、ご安全に!