【簿記3級】㉕決算手続 その1(簿記一巡の流れ、財務諸表作成)

こんばんは、アローです^^

 

だいぶ期間が空いてしまったが、いよいよ決算手続きに入っていく!

が、決算手続きに入る前に、まずは簿記一巡の手続きを深掘りしていく。

このブログを書き始めた頃、ざっくり簿記一巡の手続きを学んだが(下図)、あくまでイメージだけの記事だったので、今回は簿記一巡の詳細を見ていく。

 

簿記一巡の手続き

ここを理解できているかどうかで本試験で満点取れるかどうかが決まってくる超重要項目!

気合い入れて学んでいきましょう^^

 

簿記一巡の手続きには大きく分けて3つの段階がある(期首から期末にかけてやるべきことは主に下記3つ)。

  1. 開始手続
  2. 期中手続
  3. 決算手続

ちょいとわかりにくくなってしまったが一巡の手続は上図の通り。各手続きの詳細は後ほどやっていくが、とりあえずこの図は覚えておくべし!

具体例を繰り返し見ていけばなんとなくわかってくるとは思うが、一旦説明を書いておくw

 

期首および期末の繰越試算表には、収益・費用は載って来ない。

なぜなら、収益・費用は1年間(一定期間)における純資産の増減要因(取引)なので、繰越はしない。

収益・費用は繰り越さないが、収益勘定・費用勘定で残高が残っている分は、損益勘定に振り替えていく。これが上図の決算振替の損益振替のこと。

結果的に、損益勘定は1年間の収益・費用の残高をまとめた勘定科目になり、これがそのまま損益計算書になるイメージ。

そして、損益勘定の残高はその1年間の純資産の増減を意味し、それが利益となる(上図の資本振替の部分)。

 

 

言葉で書くと非常に難しい、、、。とりあえず例を見ていこう。。。

 

 

 

 

下記の例について、損益計算書、貸借対照表を作成していく。

商品を仕入れて、それに利益を乗せて販売していく。非常にシンプルな一例だが、しっかり追いかけていくとかなりのボリュームになる。

基本の流れなのでしっかり押さえておくべし!!

2021年4月1日〜2022年3月31日の簿記一巡の手続き

・各勘定の前期繰越高:現金 1,000円、資本金 1,000円

・期中の取引は下記のみ

①5月10日 商品500円を現金で仕入れた。

②6月10日 ①で仕入れた商品のうち、半分を600円で売り上げ、

代金は現金で受け取った(原価250円分を600円で売った)。

③7月10日 従業員に対する給料200円を現金で支払った。

・期末商品棚卸高は250円であった。

1.開始手続 : 4/1のスタート時点で実施

⑴(期首)繰越試算表
⑵開始記入 :⑴に出てくる勘定科目についてT字フォームに記入する。

これで開始手続は完了!資産・負債・純資産しか繰越しないから簡単でしょ!?

 

2.期中手続 : 取引発生の都度実施

⑴期中仕訳

仕訳は超単純!

⑵期中仕訳を総勘定元帳(T字フォーム)へ転記

転記のルールを復習したければ過去記事へ:【簿記3級】③転記と簿記一巡のイメージ

 

 

決算手続

3.決算手続 : 3/31に実施

⑴決算整理前残高試算表 :前T/Bとも言う

各勘定の残高を記入。

ここで、仕入500円の残高になっているが、これで本当にいいのか?仕入=費用となるが、実際は仕入れた250円分が売れ残っているはず(期末商品棚卸高=250円)。この250円は次期に繰越すべき資産としなければならない。

つまり、期中取引を表現するだけ(前T/Bのまま)では不十分で、一部修正してあげないといけない。

この一部修正してあげる作業を決算整理という。

 

⑵決算整理(仕訳とその転記)

期首の商品棚卸高はゼロ、期末商品棚卸高は250円。これをあるべき勘定で表現する。

繰越商品は「資産」。

 

これがもし期首残高XX円、期末残高YY円だった場合は、

という決算整理仕訳になる。仕入、繰越商品、繰越商品、仕入の頭文字をとって、この仕訳のことを「しっくりくりし」という。ふざけた覚え方だが、実務で割と使うみたいwww

 

 

⑶決算整理後残高試算表 :後T/Bとも言う

ちゃんと貸借合計が一致しているということも重要なポイント。

「しっくりくりし」の決算整理仕訳をすることで、後T/Bに記載されている仕入残高が売上原価を表すようになっている。当期中に売れて出て行った物の原価を意味している。売れずに残っているものは繰越商品勘定で資産となる。

 

⑷決算振替と帳簿の締切

⑷-1 決算振替仕訳

【損益振替】 : 仕訳を通じて収益・費用を取り崩す仕訳。勘定科目は損益勘定にて計上。

今回、収益・費用になるのは、売上、仕入、給料となる。各勘定科目のT字フォームの貸借合計が一致するように損益勘定での仕訳を実施する。

 

【資本振替】 : 損益勘定残高を今期の利益として繰越利益剰余金勘定(純資産)に振り替える仕訳を実施

損益勘定は決算整理で使用するだけの勘定科目なので、すぐに消す! 一瞬で消えてしまう科目やけどもめっちゃ大事な科目!

ここで、損益勘定はそのまま損益計算書(P/L)を作るときのベースになるので、相手科目が複数ある場合でも「諸口」と略すことはなく、相手科目ごとにちゃんとすべて記載する。

 

⑷-2 帳簿の締切

資産・負債・純資産の残高は次期繰越としてT字フォームを締め切る。各勘定、貸借合計を記載する。

各勘定、貸借合計が一致しているかちゃんと確認すべし。

 

 

ここまでくればあとは資料を作るだけ!

 

⑸(期末)繰越試算表

⑷で次期繰越としたものを繰越試算表に落とし込む。これは貸借対照表を作る元の資料となる。

期首の繰越試算表と比較すると、商売によって純資産が150円増えたことになる。

⑹損益計算書

損益勘定がそのまま損益計算書に繋がる!

 

⑺貸借対照表

(期末)繰越試算表がそのまま貸借対照表になる!

 

 

超単純な取引だったが、これでようやく財務諸表が完成!こりゃ大変、、、。

めっちゃ長い記事になってしまったが、本記事でまとめた簿記一巡の手続きは非常に大事なので何度読み返してでもマスターしてほしい流れ。

 

 

 

それではみなさん、ご安全に!

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