こんばんは、アローです^^
商品売買時の基本用語を少し復習↓
商品売買における基本用語
・売価 : 商品の販売金額
・原価 : 商品の仕入れに要した金額
・価格 : 1個あたりの金額。単価。(価額(かがく)は価格×数量でトータルを表す)
・売上原価 : 販売した商品の原価
・売上総利益: 「粗利」のこと。売上総利益=売上高ー売上原価
本記事は、補助簿で最も出題頻度が高い商品有高帳について。
商品有高帳(しょうひんありだかちょう)
商品有高帳に入る前に、売上原価について少し考えてみる。
売上原価とは、販売した商品の原価のこと。
計算式は
当期の売上原価 = 期首棚卸高(期首在庫) + 当期仕入高 ー 期末棚卸高(期末在庫)
期首在庫=前期に売れ残った分、それに当期の仕入を合算したものから、期末在庫=期末に売れ残った分を引けば、当期に売上た分の原価が求められる。これはイメージ通りかと。
3級では上記の式でOK。2級になると、火災で物が無くなったパターンなども出てくるのでこの式だけじゃうまくいかない場合もある。
上記で求めた売上原価を使って、当期の売上総利益を算出することができる。
売上総利益(粗利) = 売上高 ー 売上原価
商品有高帳の問題では、売上原価と売上総利益を求める問題が出題されるので、この式は覚えるべし。
商品有高帳の存在意義は、商品の種類ごとに、その受入・払出・残高を「原価」で記録するため。
商品有高帳における払出単価の計算方法(単価は原価で記載)
・先入先出法:先に入ったものから先に出ていくと仮定して計算、記帳する方法
・移動平均法:単価が異なるものを仕入れる都度、在庫品の平均単価を計算し、その平均単価で払い出していく方法
もう言葉では何言ってるかわからないので、例題で見ていく。
【例題1】次のA商品に関する資料から、先入先出法で商品有高帳に記帳し、7月における売上原価と売上総利益を求めよ。
【資料】
7月1日 前期繰越 20個 @5,000円
10日 仕入 30個 @5,500円
20日 売上 30個 @7,000円
25日 売上 10個 @8,000円
30日 仕入 20個 @5,600円
30日 売上 10個 @7,800円
【商品有高帳】
【解答】
仕入は受入高の欄、売上は払出高の欄に記載。
先入先出法では、残高を単価によって分ける書き方となる。次に売上が立つ時は残高のうち先に入ってきた方から出していく。
あとは取引の日付に沿って書いていくだけの単純作業。払出高の欄は、売価ではなく、原価で記載することに注意!
黄色塗りつぶし部は、受入高と払出高の合計を合わせるために記載。月末の日付で合計を合わせて締めるイメージ。そして翌月に繰り越していく流れ。
商品有高帳は原価で記載しているので、売上は問題文から拾って計算するしかない。
売上=30×7,000+10×8,000+10×7,800=368,000
当月の売上原価 = 月初棚卸高(月初在庫) + 当月仕入高 ー 月末棚卸高(期末在庫)
当月仕入高は、商品有高帳の「仕入合計 ー 前月繰越」= 377,000 ー 100,000 = 277,000 で求められる。
月末在庫は、残高の最後の数値= 112,000円となる。
売上総利益(粗利) = 売上高 ー 売上原価
売上原価は、商品有高帳でいうと、次月繰越を除いた払出高となる(377,000 ー 112,000 = 265,000)
【例題2】次のA商品に関する資料から、移動平均法で商品有高帳に記帳し、7月における売上原価と売上総利益を求めよ。
【資料】
7月1日 前期繰越 20個 @5,000円
10日 仕入 30個 @5,500円
20日 売上 30個 @7,000円
25日 売上 10個 @8,000円
30日 仕入 20個 @5,600円
30日 売上 10個 @7,800円
【解答】
移動平均法は、残高の計算方法が少しややこしいので、下記のやり方で埋めていく感じ↓
売上原価の計算方法は先入先出法と同じなので省略。ただ、在庫金額の考え方が異なるので、売上原価や売上総利益に少し相違が発生してくる。
どっちの方法で問題が出てきても自信を持って解答できるように何度も練習しておくべし!
返品時における商品有高帳の記入方法
仕入返品も、売上返品も、巻き戻しされるイメージ。試験では返品は先入先出法しか出題されない。
【例題3】次のA商品に関する資料から、先入先出法で商品有高帳に記帳せよ。商品有高帳は月末の日付で締め切ること。
【資料】
7月1日 前月繰越 21個 @5,000円
5日 前月繰越商品のうち、1個を返品した。
10日 仕入 30個 @5,500円
15日 売上 42個 @7,000円
20日 15日に売り上げた商品のうち、2個が返品された。
【解答】
仕入返品するときは払い出し、売上返品されたときは受け入れに記載する。割とイメージ通りで難なくできるかと。
商品有高帳は試験で最もよく出る補助簿で、おそらく試験には返品も絡んだ少しややこしい問題が出ると思われる。
何回も例題を解いて慣れておくべし!
商品有高帳の問題でよく必要となってくる下記の式はかなり重要!
当たり前の式かもしれないがしっかり覚えておくべし!
当期の売上原価 = 期首棚卸高(期首在庫) + 当期仕入高 ー 期末棚卸高(期末在庫)
売上総利益(粗利) = 売上高 ー 売上原価
それではみなさん、ご安全に!