【簿記3級】㉘収益の未収・費用の未払

こんばんは、アローです^^

 

ここから数回に分けて決算整理でやることを深掘りしていく。

簿記一巡の流れの中で、今どの部分をやっているのか常に意識しておくことは大事。

 

 

 

今日は、決算整理時の収益・費用について深掘りしていくイメージ。

 

収益・費用

基本

まず、収益・費用の基本的な考え方として、「企業活動を通じた純資産の増減要因となる取引を示すもの」と頭に叩き込んでおくべし。

各期において、企業活動(商売)の成果を数値的に測定するためのものでもある。

また、簿記では、取引が発生した際に計上することになっている(発生主義という)。

一方、金銭による収入および支出のタイミングで計上することを現金主義という。

 

 

収益・費用の見越・繰延(みこし・くりのべ)

簿記では発生主義が基本だが、収益・費用では、受取家賃や利息などのように、期中の処理はお金の収入および支出のタイミングで計上(仕訳)されているものがある。これは発生主義に基づいていない。

そこで、簿記の基本の考え方である発生主義に修正してあげるような決算整理をしなければならない。

 

例えば、

3月いっぱい不動産を貸しているのに、家賃の受け取りは4月になる場合、不動産を貸すという取引は発生しているのにお金が入ってくるのは翌期になる。これだと取引自体は3月に発生しているのに仕訳は翌期になってしまう。

3月いっぱい貸しているということは間違い無いので、これは翌期にお金を受け取ることができる権利があると判断して、決算整理時に未収家賃勘定を計上する。当期に貸しているならちゃんと当期に計上しないといけないというイメージ。

 

 

このように、現金主義に基づいている状態で期中の処理を行なっている収益・費用について、下記の4パターンの状態で決算整理を迎えた場合、発生主義に修正してあげる決算整理仕訳をしなくてはならない。

  • 収益の未収 : 当期に役務を提供したが、その分の代金を受け取っていない状態
  • 費用の未払 : 当期に提供を受けたが、その分の代金を支払っていない状態
  • 収益の前受 : 翌期に提供予定の役務の分について、先に代金を受け取った状態
  • 費用の前払 : 翌期に提供を受ける予定の分について、先に代金を支払った状態

そして、当期の決算整理時に仕訳したこれらは、翌期首に再振替してあげる。

 

ちょっと仕訳しないと理解しにくいので、例題を交えながら見ていく。

 

 

収益の未収

収益の未収 : 当期に役務を提供したが、その分の代金を受け取っていない状態

期末に収益の未収額がある場合の処理

⑴当期に提供した役務の金額を計算

⑵当期の収益として計上するとともに未収収益(資産:後日受け取れる権利)勘定を計上

⑶資産の科目なので翌期に繰り越されるため、翌期首に再振替を行う(⑵の反対仕訳)

 

 

【例題1】次の取引を仕訳し、総勘定元帳を締め切りなさい。

3月31日 本日決算日、受取手数料50,000円が未収の状態であるが、代金は翌期に受け取る予定である。

 

 

 

今回の例題には、当期に何かサービスを提供したが、まだお金が入ってきていない状態。でも当期のサービスなら当期の収益でしょ!っていう背景があり、下記の解答となる。

【解答】

■仕訳

 

■総勘定元帳

受取手数料=収益のため当期の損益となり、未収手数料は資産なので次期繰越となる。

 

【例題2】例題1の続きとして次の取引を仕訳し、総勘定元帳に転記せよ。

4月1日 未収手数料勘定の残高を受取手数料勘定への再振替仕訳を行う。

4月10日 前期分の受取手数料50,000円を現金で受け取った。

 

 

【解答】

■仕訳

 

■総勘定元帳

この一連の流れによって最終的に、期末に未収であった収益は取引が発生した期に収益として計上され、お金を受け取っただけの期には収益が発生していないことになる。

 

 

費用の未払

費用の未払 : 当期に提供を受けたが、その分の代金を支払っていない状態

これは収益の未収と立場が逆のパターン(お金を支払う側の処理)。

期末に費用の未払額がある場合の処理

⑴当期に提供を受けた役務の金額を計算

⑵当期の費用として計上するとともに未払費用(負債:後日支払う義務)勘定を計上

⑶負債の科目なので翌期に繰り越されるため、翌期首に再振替を行う(⑵の反対仕訳)

 

 

【例題3】次の取引を仕訳し、総勘定元帳を締め切りなさい。

3月31日 本日決算日、当期分の家賃200,000円が未払である(4月10日に3月分の家賃を支払い予定)。

 

 

【解答】

■仕訳

 

■総勘定元帳

支払家賃=費用のため当期の損益となり、未払家賃は負債なので次期繰越となる。

 

 

【例題4】例題3の続きとして次の取引を仕訳し、総勘定元帳に転記せよ。

4月1日 例題3の期首再振替仕訳を行う。

4月10日 3月分の家賃200,000円を現金で受け取った。

 

 

【解答】

■仕訳

 

■総勘定元帳

 

 

ちゃんと意味を理解しながらやれば問題は解けるようになる!

次回は収益の前受と費用の前払。

 

 

それではみなさん、ご安全に!

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